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社山の家

House / aichi / 02.2016

第49回 中部建築賞
第28回 すまいる愛知住宅賞
住宅金融支援機構 東海支店長賞

愛知県東海市に建つ個人住宅である。
敷地は宅地開発によって山を切り開き、緩やかに雛壇上に造成された敷地である。 また地区計画内にあり周辺は建売住宅が立ち並び、画一的な町並みが広がっている。 周辺一体の建物は区分けられた敷地に対して可能な限り北側に寄せ、わずかばかりの 庭を南へ配しさらには南側隣地の建物の背を望む暮らしを強いる状況となっている。 ここでは、周辺環境との新たな関係性と在り方を考える必要性があった。
計画は敷地のほぼ中央へ建物を配置し、駐車場やアプローチを含め周辺への空地を確保し、 樹木を植えて周辺環境と連続させた。そして建物の屋根の上にさらに屋根をかけることで、 屋上にもう一つの空間をつくりだし、室内のような庭のある暮らしを提案した。 その庭には一体的に利用できるよう家族や友人が集まれる明るく大きなリビングを設け、 庭全体を囲う壁は、閉ざされた空間のつくり方ではなく、壁の密度を設計し住まい手に 合わせたセミオープンな作り方とした。
リビングからは庭までを一体の部屋のように感じる事ができるよう壁の密度を濃くし、 庭にいるときは壁の隙間から外部を感じとることはできるよう密度を薄くし、街の気配が 現れるようにした。さらに空の広がりや眺めを楽しめるように階層を吹き抜けとし、 そこにハンモックやガーデンスペースを設けることで、室内のように使われたり室外の ように使われたりと、多様な活動が生まれる場とした。

建物が完成すると、室内のような庭からは光や風、空などの光景が建物の内部へ入り込み、 人が動くことで内外が繋がったり離れたりしながら空間の大きさが変化していき、人の行為 によって空間の質や名前が変わっていくような状態が現れた。室内のような庭を通して住宅 と街が緩やかに繋がり、互いに呼応し合うような関係性を築くことで、多様な場や体感が 生まれ、空間や人の感じる豊かさとなるのではないかと考えている。
Building site : aichi
Principal use : House
Structure : Timber structure
Site area: 224.2m2
Building area: 65.6m2
Total floor area: 154.0m2
Structure design : Yosuke kimura
images : yh architects